フック
Q1の数字を全公開する。売上を伸ばした打ち手3つと、即撤退した2つ。
撤退の判断軸を、感覚ではなく数字で決めた記録だ。
結論3箇条
3ヶ月のQ1を回して見えた、ソロ起業家のリアルは3つだ。
- 「伸びた」と「伸ばした」は別物。再現性のある打ち手は3つしかなかった
- 撤退判断は、感情ではなく「数字×時間」で決める
- 次Qは「攻め」より「整える」に振るべきだった
派手な成長ではなく、判断の質が問われる3ヶ月だった。
この記事を書く理由
四半期レビューを公開しているソロ起業家は、ほとんどいない。
理由は単純で、数字を出すと「カッコ悪い結果」も含まれるからだ。
撤退、計画外の停滞、想定より伸びなかった事業。
全部出すと、ブランドが下がるリスクがある。
それでも書く理由は、3ヶ月単位で振り返る習慣そのものが、ソロ起業家の生命線だからだ。
「振り返る」と「数字で振り返る」は別物だ。
具体的な数字で公開しないと、再現性のあるレビューにならない。
僕がQ1にやったこと、伸ばせたこと、撤退したことを、全部数字で出す。
同じソロ起業家の参考になればいい。
本文ストーリー
Q1の総括(3ヶ月の推移)
まず、3ヶ月の数字を並べる。
| 月 | 月収 | 稼働時間/週 | 主な動き |
|---|---|---|---|
| Month1 | ¥6,200,000 | 47h | A事業の単価改定/B事業X発信開始 |
| Month2 | ¥6,470,000 | 43h | C事業の新サービス検証/LP改修 |
| Month3 | ¥6,760,000 | 40h | 稼働削減+C事業の試験販売撤退 |
合計:¥19,430,000(3ヶ月平均月収¥6,477,000)。
「伸びた」ように見える。
ただ、内訳を見ると話が違う。
売上を伸ばした打ち手3つ
3ヶ月で「明確に売上を伸ばした」と再現性のある形で言えるのは、3つだけだった。
打ち手1:A事業の単価改定(+¥800,000/月)
既存顧客の更新タイミングで、月額を15%引き上げ。
解約率は事前予想(約8%)より低く、約3%だった。
事前にClaude Projectsで「過去の顧客満足度ログから値上げ許容ラインを推定」させて決めた価格。
体感ではなく数字で決められたのが効いた。
打ち手2:B事業のX発信再開(+¥300,000/月)
3ヶ月Xを止めていた期間があり、再開。
1日1投稿の運用を3週間続けたところ、新規問い合わせが月12件→月29件に。
B事業の主要流入経路が明確化した。
打ち手3:稼働削減(間接的に+¥560,000)
週47h→40hに削減。
削った時間で「次の仕込み」に投下したことが、月3で売上に反映された。
これは別記事(#21 稼働削減で売上が伸びた話)で詳述。
合計で月¥1,660,000の上振れ。
3つの打ち手が、Q1の伸びの95%を占めている。
即撤退した2つ
逆に、撤退した動きも書いておく。
撤退1:C事業の新サブスクライン
Month1〜2でテスト販売した、C事業の月額サブスク。
2ヶ月で登録者18名、解約率は月15%、LTV予測は¥18,000。
撤退基準(LTV¥40,000以上)を下回ったため、Month3頭で停止。
撤退時の損失:開発時間約60h、広告費約¥80,000。
ただし、これを引きずっていたら、Q2でさらに50万以上の損失が出ていた可能性が高い。
撤退2:A事業の海外向けプラン
Month2で試験的に英語版プランを公開。
6週間で問い合わせは3件、契約はゼロ。
コミュニケーションコストが想定の3倍かかると判明し、即撤退。
撤退基準を最初に決めておいたことで、迷いなく止められた。
器用貧乏ほど「もう少しだけ続けたら」と引きずる。
事前に数字を決めておくのが、唯一の対策だ。
想定外だったこと2つ
数字には現れにくい「想定外」も書いておく。
想定外1:B事業のXからの問い合わせが、業種が偏った
B事業はもともと幅広い業種を想定していたが、X再開後の問い合わせは8割が「会社員副業」。
これは想定外だった一方、ターゲットが明確になったことで、Q2の戦略が組みやすくなった。
想定外2:稼働削減の効果が、3ヶ月目に集中した
削減の効果は1ヶ月目から出ると思っていたが、実際は3ヶ月目から本格化。
「削った時間でやった仕込み」が芽吹くまでに、約60〜90日のラグがあることが分かった。
これはQ2の計画に反映できる学びだった。
次Q(Q2)の判断
Q1の数字を踏まえて、Q2の方針は「攻めない」と決めた。
具体的には:
- 新規事業のローンチは凍結:Q1で2つ撤退したことを冷静に受け止める
- A事業のオペレーション整理:単価改定後の業務フローを、AIに移譲して標準化
- B事業のターゲット絞り込み:会社員副業に絞ったコンテンツ・サービス設計
- C事業の中核プロダクトに集中:撤退したサブスクではなく、本流の改善に振る
「攻める」より「整える」方が、Q2の数字を安定させる。
Q1で気づいた一番大きな学びは、仕込みの効果が出るのは3ヶ月後ということだ。
Q1の仕込みがQ2に芽吹く前提で、Q2の仕込みはQ3で芽吹かせる。
ソロ起業家は、四半期で考えると判断が冷静になる。
月単位で焦るほど、撤退と新規ローンチを繰り返して消耗する。
データ:Q1総合
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Q1合計売上 | ¥19,430,000 |
| 平均月収 | ¥6,477,000 |
| 平均稼働時間/週 | 約43h |
| ローンチ数 | 2 |
| 撤退数 | 2 |
| 撤退率 | 100%(2/2) |
| Q1の最大の学び | 仕込み効果は60〜90日後 |
撤退率100%、と書くと派手だが、これはむしろ健全だ。
撤退基準を最初に決めて、機械的に止められた証拠でもある。
今日からできるチェックリスト
- [ ] 自分の事業を四半期単位で振り返る習慣をつける
- [ ] 3ヶ月の売上を、月別で書き出す
- [ ] その中で「再現性のある打ち手」を3つに絞る
- [ ] 撤退した/停滞した動きの原因を、数字で説明できるようにする
- [ ] 次Qの方針を「攻める/整える」のどちらかに先に決める
四半期レビューは、月次レビューより5倍重要だ。
月次は短すぎて、傾向が見えない。
まとめ&CTA
Q1の総括は、「攻めて伸ばすより、整えて安定させる」が次の課題という結論だった。
ソロ起業家の四半期は、派手な成長記録ではない。
冷静な判断と、数字に基づいた撤退の積み重ねだ。
次Qの月次レポートも、伸ばせたこと・撤退したこと・想定外だったこと、すべて数字で公開していく。
同じソロ起業家で、四半期レビューに迷っている人の判断材料になれば嬉しい。




