フック
器用貧乏が一番苦手なのが「値付け」だ。
10年間「相場で決める」を続けて、月収は伸びなかった。
価格決めには3パターンあって、使い分けられないと、ソロは勝てない。
結論3箇条
ソロ起業家の価格決めには、3パターンしかない。
- 原価ベース:自分のコストから積み上げる(フリーランス初期)
- 競合ベース:市場価格に合わせる(参入直後)
- 価値ベース:相手の利益から逆算する(事業として成長させる段階)
3パターンの使い分けを間違えると、月収は10年止まる。
この記事を書く理由
「値付けに自信がない」は、ソロ起業家の最大の弱点の1つだ。
僕も10年詰まった。
原価ベースで時給×時間で出す。
競合の価格を見て「同じくらい」にする。
高めにすると怖くて、相場を聞いて安心する。
これを続けた結果、月収は20万のまま8年止まった。
抜けたきっかけは、3つの価格決めパターンを知ったことだった。
3つを使い分けるようになって、平均単価が一気に5倍になった。
3パターンを、実例つきで残しておく。
本文ストーリー
パターン1:原価ベース(自分のコストから積み上げる)
これが最もシンプルで、最も天井が低い価格決めだ。
計算式:自分の時給 × かかる時間 + 経費
例えば、ライティングの場合:
– 時給を¥3,000と決める
– 1記事に5時間かかる
– 経費(取材費・ツール費)が¥2,000
– → 1記事の価格 = ¥3,000 × 5h + ¥2,000 = ¥17,000
いつ使うか:
– フリーランス1〜2年目で、市場価格が分からない時期
– 同業者がいない/少ない領域
– 自分の労力を確実に回収したい時期
限界:
– 自分の時間が物理的な天井になる
– 月100万を超えるのは、時給を異常に上げる以外に手段がない
– 顧客から「なぜこの価格なんですか?」と聞かれて理由が弱い
僕も20代でこれを使っていた。
時給¥3,000で週20時間働いて、月24万円。
3年やっても伸びなかった。
原価ベースは「初動の価格を出すため」だけに使う。
パターン2:競合ベース(市場価格に合わせる)
市場価格が見える領域で、初動を切るときに使う。
計算式:競合の中央値 ± 10〜30%
例えば、SaaSコンサルの場合:
– 同業者の月額が平均¥100,000
– 自分は経験浅い → ¥80,000で参入
– または、強みがあれば → ¥130,000で参入
いつ使うか:
– 競合が多く、市場価格が見える領域
– 参入直後で、信頼実績がまだない時期
– 価格交渉で「相場ですので」と言える状態にしたい時期
限界:
– 市場価格に縛られる
– 競合との「価格競争」に巻き込まれる
– 長期で見ると、自分の利益率が市場に依存してしまう
これも僕は20代後半で使った。
市場価格に合わせると、安心はする。
ただ、他の人と同じ価格で同じ仕事を取る限り、抜きん出ることはない。
パターン3:価値ベース(相手の利益から逆算する)
ソロ起業家が月収を10倍にする鍵は、ここだ。
計算式:相手が得る利益 × 10〜30%
例えば、企業向けマーケティングコンサルの場合:
– クライアントの月売上が¥10,000,000
– コンサル導入で月+¥1,000,000の利益が見込める
– → コンサル料 = ¥1,000,000 × 20% = ¥200,000/月
「相手にとっての価値」から逆算するから、原価や競合は無関係だ。
いつ使うか:
– 自分の介在で、相手の利益が明確に増える領域
– 信頼実績がある程度あり、結果を約束できる状態
– 顧客が「価格より結果」を重視するセグメント
実例:
僕のA事業(コンサル)の単価は、過去3年で¥80,000 → ¥150,000 → ¥300,000 → ¥450,000と上がった。
これは原価が変わったわけでも、競合が変わったわけでもない。
「相手の利益にどれだけ介在できるか」を、毎年再評価しているからだ。
3パターンの使い分け:時間軸で見る
ソロ起業家のキャリアを時間軸で見ると、価格決め方も進化していく。
| フェーズ | 主な価格決め方 | 月収目安 |
|---|---|---|
| 副業/フリー1〜2年目 | 原価ベース | 〜¥300,000 |
| 参入後1〜3年目 | 競合ベース | ¥300,000〜¥1,000,000 |
| 信頼実績あり3年目以降 | 価値ベース | ¥1,000,000〜 |
月収300万の壁を越えられない人の99%は、この移行ができていない。
原価ベース → 競合ベース → 価値ベースに移行するごとに、単価が2〜5倍に跳ねる。
移行の遅さが、ソロ起業家の収入の天井を作る。
価値ベースに移行する3つの条件
価値ベースは「いきなり」できない。
3つの条件を整える必要がある。
条件1:「結果」を数字で証明できる事例が3件以上ある
クライアントの売上を○%伸ばした、利益を○円増やした、時間を○h削減した。
過去事例の数字なしには、価値ベースは説得力を持たない。
条件2:相手の利益を「事前に推定できる」精度を持つ
コンサル開始前に「あなたの売上はおそらく月+¥1,000,000伸びます」と根拠を持って言える状態。
ここに到達するには、業界知識と過去事例の蓄積が要る。
条件3:価格を提示するときに、相手と「成果連動」の合意がある
完全成果報酬でなくても、「結果が出れば次年度は単価アップ」のような前提を共有する。
これがあると、相手も価格に納得しやすい。
3つが揃ったら、価値ベースに切り替えるタイミングだ。
価格を上げるときの伝え方
価値ベースに切り替えるとき、既存顧客への単価交渉が一番難しい。
僕が使っているテンプレを置いておく。
{クライアント名}様
いつもありがとうございます。
今年に入り、{具体的な成果}で過去最高の数字をご一緒できました。
来期から、ご支援いただく単価について改定をお願いしたく、ご連絡しました。
これまで:月額¥{現在価格}
来期から:月額¥{新価格}({パーセント}%)
理由は3つあります:
1. 過去1年の支援で生まれた利益({具体数字})に対して、現在価格は割合が小さい
2. 来期は{具体的な追加価値}も含む構成にする予定
3. 現在の支援内容に対して、より深いコミットを継続するため
ご検討よろしくお願いします。
このテンプレで、過去2年で15社中12社が値上げを承諾した。
価格は「言わない」より「言う」方が、ほぼ通る。
データ:価格決め方の変遷
| 時期 | 主な価格決め方 | 平均単価 | 月収 |
|---|---|---|---|
| 28〜31歳 | 原価ベース | ¥17,000/記事 | ¥240,000 |
| 32〜34歳 | 競合ベース | ¥80,000〜¥150,000/月 | ¥800,000 |
| 35歳〜 | 価値ベース | ¥300,000〜¥500,000/月 | ¥6,000,000+ |
価格決めの軸を変えるだけで、月収は10倍以上に伸びた。
今日からできるチェックリスト
- [ ] 今の自分の価格決め方を「原価/競合/価値」のどれか分類する
- [ ] 価値ベースに切り替えるための「3つの条件」を満たしているか確認
- [ ] 過去事例から「クライアントが得た利益(数字)」を3件書き出す
- [ ] 既存顧客の中で、単価交渉できる相手をリストアップ
- [ ] 来期の単価交渉メールテンプレを準備する
価格を変える勇気は、構造の理解からしか出てこない。
まとめ&CTA
ソロ起業家の月収は、価格決めの軸で決まる。
原価ベースで止まると月30万、競合ベースで月100万、価値ベースで月500万以上。
この移行の遅さが、10年詰まる最大の原因だ。
このブログでは、ソロ起業家の価格設計、単価交渉、契約の組み方を、引き続き具体例で公開していく。
「値付けに自信がない」は、構造を理解すれば必ず抜けられる。





