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事業の「やめどき」を3つの数字で決める判断テンプレ

事業の「やめどき」を3つの数字で決める判断テンプレ

フック

「やめどき」は、感覚ではなく3つの数字で決める。

3年並走して8つの事業を撤退してきた僕の、機械的な判断テンプレを公開する。


結論3箇条

撤退判断を機械化する3つの数字。

  • 「3ヶ月後の予測LTV」が基準ラインを下回ったか
  • 「過去3ヶ月の成長率」が累積マイナスか
  • 「自分の時間単価」を下回っているか

3つすべてYESなら、迷わず撤退。1つでもYESなら、要再評価。


この記事を書く理由

ソロ起業家の最大のコストは、「やめられない事業」だ。

「もう少し続ければ伸びるかも」
「ここまでやってきたのに、もったいない」
「他の人は伸ばしている」

これらの感情で続けると、半年〜1年で大きな機会損失が積み上がる。

僕は3年で8つの事業を撤退してきた。
最初の3つは感覚で決めた。痛い損失が出た。
残り5つは、3つの数字で機械的に決めた
損失は最小化され、次の打ち手に時間を振れた。

その判断テンプレを、再利用可能な形で残しておく。


本文ストーリー

数字1:「3ヶ月後の予測LTV」

最初の数字は、3ヶ月後のLTV予測だ。

LTV(顧客生涯価値)は、ソロ起業家の事業の健全性を表す最重要指標。
これが事前に決めた基準ラインを下回ったら、撤退検討に入る。

僕の場合、基準ラインは:
– 月額¥1,000以下のサービス:LTV ¥6,000
– 月額¥3,000〜¥10,000のサービス:LTV ¥40,000
– 月額¥10,000超のサービス:LTV ¥80,000

各事業ローンチ時に、これらを設定する。
3ヶ月運用して予測LTVが基準を下回ったら、「数字1がYES」

具体例:
– C事業のサブスクライン(撤退):基準¥40,000、予測¥18,000 → YES
– A事業のメインプラン(継続):基準¥80,000、予測¥320,000 → NO

LTVは、感覚ではなく構造で事業の良し悪しを判定する。

数字2:「過去3ヶ月の成長率」

2つ目の数字は、3ヶ月の成長率だ。

事業は伸びるか、横ばいか、減るかの3パターン。
重要なのは、3ヶ月の累積で見ることだ。

状態評価
累積+15%以上伸びている、続行
累積+5〜15%ゆっくり伸びている、要観察
累積±5%横ばい、要再評価
累積-5%以下減少、撤退検討

1ヶ月だけで判断すると、季節要因やノイズに振り回される。
3ヶ月の累積で見ることで、本当の傾向が見える。

「累積でマイナス」になったら、「数字2がYES」

数字3:「自分の時間単価」

3つ目は、ソロ起業家にとって最重要の数字。
自分の時間単価だ。

計算方法:
– その事業に投下した月の合計時間
– その事業の月の純利益(売上−直接コスト)
– 利益÷時間 = 時間単価

僕の場合、全事業の最低ラインは時間単価¥5,000
これを下回る事業は、続けるほど自分の人生が痩せる。

具体例:
– A事業(コンサル):時間単価¥18,000 → 続ける
– B事業(コンテンツ):時間単価¥12,000 → 続ける
– C事業(プロダクト):時間単価¥8,000 → 続ける(基準内)
– 撤退したサブスク:時間単価¥1,800 → 基準割れ、即撤退

時間単価が下がる事業に時間を割くと、他の事業の機会損失が膨らむ。

3つの数字の組み合わせで判断する

3つの数字を、組み合わせ表で判断する。

数字1数字2数字3判断
OKOKOK続行
OKOKNG改善期間1ヶ月、ダメなら撤退
OKNGOK改善期間2ヶ月、傾向反転を確認
OKNGNG撤退検討
NGOKOKLTV改善施策、3ヶ月待つ
NGOKNG撤退検討
NGNGOK撤退検討
NGNGNG即撤退

3つともNGなら、迷わず撤退。
2つNGなら、撤退の方向で動く。
1つNGなら、改善期間を設けて様子を見る。

このルールを最初に決めておくと、感情に流されない

撤退時の3つのアクション

「撤退する」と決めたら、3つのアクションを必ずやる。

アクション1:既存顧客への通知
撤退の事実、いつまで使えるか、移行先(あれば)を、丁寧に通知する。
「黙って消える」のは絶対ダメ
3年後の信頼を破壊する。

アクション2:撤退ログを残す
– なぜ撤退したか
– どの数字が基準を下回ったか
– 何を学んだか
– 次に活かせる知見

これを書かないと、同じ失敗を繰り返す。

アクション3:浮いた時間を「次の仕込み」に振る
撤退した瞬間、浮いた時間が他の事業に流れる。
これを意図的に新しい仕込みに使う。
浮いた時間を「休養」に使うと、次の伸びが半年遅れる。

撤退は終わりではなく、次の開始だ。

「もったいない」を機械的に潰す

ここが最も重要な精神面の話。

「もったいない」という感情は、サンクコスト(埋没費用)だ。
これに引きずられると、損失が累積する。

3つの数字を機械的に回すことで、「もったいない」を構造で潰せる

僕は撤退時、必ず自分にこう言う:
「ここで撤退しても、過去の投資はゼロにはならない。
次の事業で活かす知見になる。
続けることで、もっと大きな機会損失が出る方が損だ」

これを言語化しておくことで、撤退の心理的障壁が下がる。


データ:3年で撤退した8事業の数字

事業撤退理由投下時間損失
事業ALTV基準割れ60h¥80,000広告費
事業B成長率マイナス90h¥120,000開発費
事業C時間単価基準割れ200h機会損失大
事業D3つすべてNG80h¥50,000広告費
事業E時間単価+成長率NG120h軽微
事業FLTV+時間単価NG100h¥30,000開発費
事業G3つすべてNG50h軽微
事業H時間単価NG70h機会損失中

8つ撤退して、平均「投下時間100h/損失¥40,000」程度。
3つの数字で機械的に決めた事業は、早めに撤退できているので損失が小さい


今日からできるチェックリスト

  • [ ] 自分の事業ごとに「LTV基準ライン」を最初に決める
  • [ ] 「時間単価の最低ライン」を1つ設定する(例:¥5,000)
  • [ ] 月次で「3ヶ月成長率」を計算する仕組みを作る
  • [ ] 3つの数字の組み合わせ表を、自分用にカスタマイズ
  • [ ] 撤退ログを残すフォーマットを準備する

「やめどき」を、感情ではなく構造で決める。


まとめ&CTA

事業の「やめどき」は、3つの数字で機械的に決められる。

LTV、3ヶ月成長率、時間単価。
最初に基準を決め、毎月数字を確認し、ルール通りに撤退する。

このブログでは、ソロ起業家の判断軸・撤退テンプレ・損切りプロセスを、引き続き具体例で公開していく。

「もったいない」で続けている事業がある人にこそ、3つの数字を試してほしい。