痴漢事件の話はよくありますが、大体が男性が女性に対して行うもので、ごくごくまれに女性から男性に対して行われたりすることがあるぐらいです。
そんな中で僕は男性から痴漢を受けるという数奇な事件に巻き込まれました。
しかも相手は未成年の男というおまけつき。
男から男への痴漢の対応はどうなるのか?
また、未成年だった場合慰謝料をもらうことができるのかという私の体験談をお話ししていきたいと思います。
*一応未成年の事件なのでプライバシーの配慮をして一部事実とは異なる書き方をします。
痴漢事件は夜行バスで起こった
今回僕が痴漢の被害にあったのは福岡から大阪に行く夜行の高速バスです。
この事件の犯人である男は僕の後ろの席に座っていて、出発直後に座席を倒すために確認を取ったのですがその時に目があったときはちょっと派手な若いおにーちゃんって感じでした。
それがまさかこんな大ごとになろうとは・・・
ワイ、痴漢される
夜の11時を周りバス車内の電気は全て消えたので僕も眠りにつこうとうとうとしていると突然ほっぺたを触られたような感触が。
後ろの人がバランス崩して間違えて触ったのかな?と思って気にしなかったのですが、1分後ぐらいにまた顔を触られるような感触が。
流石に後ろに振り向いて「なんですか?」って言ったのですが、相手は腕を組んで目を瞑って寝ていました。
小学生の時に肩トントンってやって寝たフリするイタズラみたいな感じです。
気分悪いなと思いつつも一度行ったから流石にもうやらんだろうと思ったら1分後にまた顔を触ってきました。
しかも今度は指が目に入って結構痛かったので頭に来て運転手さんに後ろの人に何度も顔を触られたり引っ掻かれたりしたと訴えて対処を願いました。
そうすると運転手さんは、規則で最寄りのサービスエリアで下しますとのこと。
夜中のサービスエリアにおっぽり出されるのはちょっとかわいそうな気もしましたが、冗談にしても度がすぎるイタズラだったのでまぁいいかと思いサービスエリア到着まで、運転席の近くの椅子で待機することになりました。
他の被害女性がいた
運転手さんとの一連のやりとりが終わって運転席近くの椅子で待っていると僕に誰かが近寄る気配が。
犯人だとしても今更謝っても許さんぞと思ってたら、目の前にいたのは若い女性でした。
しかも、ヒクヒク泣きそうな様子です。
何事かと思っていると彼女は声を震わせながら「私もあの男に痴漢されたんです」と言い出しました。
まさかの発言に焦りましたが、冷静に女性の話を聞いてみると彼女は僕の後ろの席の男の通路を挟んだ隣の席に座っていて、男が僕の顔を触る前にその男に胸を触られていたとのことです。
もはやガチの痴漢なので、運転手さんに彼女に起こったことを話をすると、男を下ろすSAに警察を呼ぶことになりました。
女性も暗闇で痴漢をされて不安だったようで、しばらく泣き止むことはなく僕も犯人が憎くなってきたことを覚えています。
深夜の警察の事情聴取
サービスエリアに到着すると、待ち構えていた警察官がその男を連れて行こうとするのですが、一向に起きません。
しらを切るために寝ているのかと思ったら、どうやら泥酔していたようです。
とりあえず犯人は外に連れ出されていき、僕と彼女を交えての事情聴取と現場検証が始まりました。
当然バスは動かないし電気もつけられているので、他の乗客はたまったもんじゃないという表情を僕たちに向けてきますがそんな視線に申し訳ないと思いつつも事情聴取が終わりました。
バスに乗れないことが判明
男の方の事情聴取も終えて、痴漢をしたことを認めたので現行犯逮捕になったのですが、調書の作成のために警察署に同行しなければならないということが告げられました。
当然バスにこのまま乗ることはできなくなり、翌日の予定が色々と狂うことは確定しました。
そのままパトカーに乗せられて、深夜1時から朝の4時まで調書の作成です。
自腹で新幹線に乗って帰宅
長所の作成が済んだ頃には新幹線の始発時間が近づいていたので警察の方が、駅まで連れて行ってくださりました。
当然、警察はお金を出してくれることもないので自腹で新幹線の切符を購入。
被害を受けた女性も同じ新幹線に乗りましたが流石に隣の席は気まずいので別々の席に座って帰宅。
朝の9時ごろには大阪に着くことができたので、通常の夜行バスの到着時刻の1時間遅れぐらいで到着した感じです。
未成年の事件は慰謝料が取れない?
今回の事件で僕が受けた損害はこんな感じです。
無駄になった高速バス代:数千円
新幹線代:15000円ぐらい
到着直後のアポに遅刻していたため大阪からタクシー移動:数千円
2万円ちょっと損害が出たという感じですね。
調書作成中の際に犯人が未成年だということを聞いていて慰謝料請求できるのかなと不安になっていました。
帰宅後に未成年の起こした事件に対する慰謝料について調べたのですが、未成年の起こした事件は凶悪事件などではない限り逮捕されることはなく少年法で取り扱われるそうです。
少年審判という普通の裁判とは別の裁判が行われ、罪に応じて少年院に入ったり保護観察処分が下されます。
そもそも、慰謝料がどういった仕組みで払われるのかと言いますと、逮捕された犯人に対して被害者が告訴を取り下げることで罪が軽くなるのですが、そのために慰謝料を払うという感じです。
示談にするということはこういうことですね。
しかし、未成年の事件の場合逮捕ではないので示談したことによる罪の軽減はありません。
もし犯人が、こちらの被害届の取り下げとかどうでもいいというスタンスをとられてしまうと、示談の交渉すらすることができないのです。
また、少年事件は被害者にも犯人の情報はほとんど伝えられません。
なのでこちらから、損害賠償請求したくてもできないのです。
未成年の事件で慰謝料をもらおうと思ったら相手の弁護士から連絡が来るのを待つしかないということです。
相手の弁護士から連絡が
慰謝料もらうの無理なのかなと諦めていたところ、事件の2日後に1本の電話が。
犯人の弁護士からの電話でした。
おそらく、お金で雇ったのではない国選弁護士のような感じでしたが、被害届を取り下げて欲しいとのことでした。
こちらとしては今回のトラブルで発生した損害とゴタゴタで失った時間の穴埋めさえしてくれれば良かったのでその旨を伝えると、犯人と相談をして返事をするということになりました。
翌日、先方からきた提案が新幹線代などの補填も込みで5万円の提案が来ました。
一応相場とか調べていましたが、軽度の傷害事件なら10〜30万が相場と見ていて少なすぎると思い、それだとお受けできないと伝えたところもう一度相談しますとなりました。
さらに翌日10万でどうでしょうかということになりこれ以上釣り上げても仕方ないのでその値段で示談することに。
弁護士は犯人の味方なので少しでも経済的損失を減らすために安い示談金を提示してくるんだなということを学びました。
皆さんももし相手と示談交渉する際は相手の要求は簡単に飲まずギリギリまで交渉するようにしましょう。